「しかし、具体的には何をすればいいんだよ…」
本来の体の持ち主が発するとは到底思えない口調で言葉を口にする。
確かに彼女の体で何でもすることが出来る。しかし、どうにも記憶を読めるわけでもないようなので天使の追加情報取得とは
いっても何から手をつけていいものやら…。そもそもコレ、どうやったら元に戻れるんだろうか。
ぐるぐると思考を巡らせながらもガラスに映る彼女はその表情をコロコロと変える。
拗ねたような表情
満面の笑みを浮かべた表情
眉を上げて怒った表情
「…か、かわいい」
表情を変えてるのは無論自分でその行為はおふざけ半分ではあったのだが、普段が無表情な天使のそのような
顔を見ていると何かが俺の中でムラムラと湧き上がってくる。
「俺も男の子だしな…。天使の身体情報調査ということで」
誰に向けたかも分からない言い訳を口にしつつ視線を下に落とす。
落とした視線の先には控えめながらも確かに隆起している胸がまず目に入ってくる。
ゴクリとひとつ唾を飲み、Yシャツの胸元に指をかけてその制服を隆起させているモノの目視を試みる。
指を引くに従い、白い下着に包まれたその、乳房が姿を現す。
「うはぁつ!!」
気恥ずかしさのあまり視線を正面にむけるとガラスに映った赤面している天使と目が合ってしまう。
これまた今まで見たことのない恥ずかしがっている表情に胸の高まりはより一層のものとなり、結果としてガラスに映る
天使は耳まであかくなってしまっていた。
マズイ…これはマジィ。破壊力が高すぎる。SSSの皆が言っている意味とは違った意味で”天使”だ。マジ天使。
俺の中で何かが外れ、両の手をその胸の膨らみに当てる。
控えめなその膨らみは、しかしながらも確かに存在し、確かな柔らかさを手に返してくる。
恐る恐るも手に若干の力を入れ、揉んでみると揉まれているという感覚と共に体の奥がゾクゾクするのを感じた。
踏み出した足…いや手はもはや止める理性を失っていてその力を次第に強いものとなって俺のものではないけれど
今だけは俺のものであるこの乳房を、乳首を弄る。その行為が加速する度に左右の胸から男のときには決して
感じられない快感が体全体に広がっていく…。
しつこいようだが、目線を前にすれば夢中で自分の胸を弄っているという天使の姿がガラスに映っている。
こんな姿はこれまでも、これからも本人の意思で人に晒すということはないだろう。
今はその背徳感も快感を加速させる最高のスパイスになってしまっている。
つまるところ、こんなにも短時間の間に俺は天使の、天使の体の快感の虜になってしまっているのだ。もうどうしようもない。
息を荒げながらもより一層の刺激を求めて、乳房を直に触ろうとYシャツのスキマから手をいれるとある変化に気付く。
「ち、乳首が勃ってる…」
あえて今の彼女の状態を彼女の声で呟く。その乳首を軽く摘ま…「んぅ!」
摘んでみるとまた今までとは異なったより強い快感が体を突き抜ける。
「あぁ…なんか、下半身も熱く…」
無意識に左手をスカートの中に入れて、下着をさわってみるととほのかに湿っているのが分かった。
「これが濡れている、ってことなのか?」
一応、健全な男子高校生なのでその程度の女体の知識は得ている。…実際に自分自身で体験するとは思ってもいなかったが。
この先に待っているであろう快感への期待と好奇心を抑えきれず、あそこを指でなぞってみる。
「んくぅ!」
なぞった指先が小さな膨らみにふれた瞬間、快感が無意識に声となって口から漏れ出した。
快感の余韻に体がゾクゾクしている。
男との自慰とは異なったこの女の快感に男の俺は果たして耐えられるのだろうか?
一瞬、ほんの一瞬だけ迷いが生じたが、目の前にぶら下がっている快感という果実の前ではそれはとても些細で小さな感情だ。
「こんなの…エロ漫画でしかみたこと無いよなぁ」
濡れたあそこをさきほどまで天使が生徒会の事務作業をしていた机の角にあてる。
ひやりとした感触に自分の体がいかに熱を帯びているのかが分かる。
左手を机にそえ、快感を得るために体を上下に揺する。…角オナというやつだ。

「んん…角が、はぁ…こすれて…きもちいい」
あそこを机にこすり付けるたびに下半身から高い波となった快感が絶えず襲い掛かってくる。
記憶が読めないから知りようも無いけれど天使はこんな自慰なんかしないだろうな…。いや、そもそも自慰なんかしてないのかもな。
そんなことを快感の片隅で思い、息も荒くなった彼女の口から声を出してみる。
「はぁ はぁ、おれ…いや…
私、今すごく気持ちいい…
もっともっと感じさせて…絶頂(はて)まで、か・感じさせて…」
彼女の口調を意識してみる。恥ずかしさは感じない。だれがなんと言おうと今の俺は天使なんだからな。
―だから
―この体で得られる快感も今は俺のモノなんだ
絶頂に辿り着く為、息を荒げながら、下着と机をより一層濡らしながら、角にあそこを強くこすり付ける。
体が熱い。もう快感という波が体という殻に収まりきらずに弾けてしまいそうな、自分が快感で塗りつぶされそうな感覚に陥る。
「ああ…なんかくるぅ…い、いくの?んっ!んっ!」
ガラッ
「何、やってるんだ?会長…」
あまりにも突然に生徒会室に男子生徒が足を踏み入れてくる。
…そういえば教室に鍵なんかかけていなかった。冷静に考えればさっきまで上げていた荒い息も声も廊下の生徒に聞こえていたかもしれない。
「はぁはぁ…そ、その…」
衣類も息も乱れているこの姿に俺が紡げる言い訳という道は完全に通行止めになっていた。